BQSS_Win
単位重量・塗装面積係数を調べる
鋼材集計表を作成
鋼材重量データファイル
エクセルワークシートの書込みセル指定
鋼材集計以外への応用
BQSS_Win仕様
エクセルのワークシートを平行して開いておけば、部材クリック時にワークシートのアクティブセルを基準位置として単位重量・塗装面積係数と集計式が自動記入され、鋼材集計表を作成することができる。
メニューから指定することにより、自動記入の対象を単位重量のみあるいは塗装面積係数のみに限定することもできる。
エクセルでの集計式の記入には相対位置指定を用いているので、[メニュー]→[ツール]→[オプション]→[全般]で"R1C1参照形式を利用する"にチェックをつけておく。
下図のような集計表の枠と見出しを書いておく。
ワークシートの適当な行の青色のセルを選択してから、BQSSの材料をクリックすると、選択した青色セルとその行の黄色のセルに、
が書き込まれ、数量を入力するセルにカーソルが移動する。(下図)
線材の場合にはLのカラム(長さ)とNのカラム(数量)を記入すると、重量と塗装面積が計算されて表示される。(下図) 面材の場合にはWのカラム(幅)にも記入する。また、ボルト材の場合にはNのカラム(数量)だけ記入する。
材料属性により、重量計算式はそれぞれ次の様になっている。
- 線材 : W(KG)=[単位重量]*[L]*[N]
- 面材 : W(KG)=[単位重量]*[L]*[W]*[N]
- 個材 : W(KG)=[単位重量]*[N]
3. 鋼材重量データファイル
鋼材の重量参照テーブルのCSVデータファイル、外部ファイルでテキスト形式なので、エディタによりメンテナンス・拡張を簡単に行える。また、BQSSのメニュー[ファイル][編集]により内部エディタも利用できる。
データの8行目以降が鋼材データで、形式は下記の様になっており、グループ毎に部材を登録する。
{グループ登録名} (属性) (塗装面積計算用コード)
{部材名} {予備} (単位重量) (塗装面積係数)
{部材名} {予備} (単位重量) (塗装面積係数)
..
..
/*
{グループ登録名} (属性) (塗装面積計算用コード)
{部材名} {予備} (単位重量) (塗装面積係数)
{部材名} {予備} (単位重量) (塗装面積係数)
{部材名} {予備} (単位重量) (塗装面積係数)
..
..
/*
- 各グループの始めは グループ名称とグループ属性とする。
- 部材名は文字型データ。
- {予備}は文字型データで、鋼材データでは未使用につき、ブランクでよい。
- 単位重量は数値型データで、単位は鋼材属性に依り kg/m、kg/m2、kg/piece。
- 塗装面積係数は数値型データで、単位は m2/ton 。
- 各グループの終りには "/*" の行を置く。
- 属性番号は、
1: 単位重量が、kg/m
2: 単位重量が、kg/m2
3: 単位重量が、kg/piece
ほとんどの鋼材の塗装面積係数は、次の手順で自動作成できる。
- 塗装面積係数の部分に適当な数字(0でよい)を入れて上記データを作成する。
- ファイルメニューから[塗装面積係数]をクリックすると、塗装面積係数の項が更新されたJISTEELW.new というデータファイルができる。
- ファイル内容を確認してから、JISTEELW.CSV に名前を変える。
この塗装面積係数の更新のためには、鋼材名称を次の要領で形状が分かる様に記述しておく必要がある。面積算出には下の各計算式から判るように、鋼材のR寸法を考慮していない簡略式を用いている。
- [部材名] には、最初に呼び名称を書き、寸法の区切りは "x" を使用する。
- 鋼材形状により塗装面積係数の算定方法が変わるが、これは鋼材グループ登録名の後に追加した1〜5のコード番号で判定される。それぞれのコード番号の説明は次の通り。
(塗装面積計算用コード) = 5
[適用] : 板状で、裏表の面積の和を塗装面積とする材料
[ 例 ] : 両面塗装する鋼板、床用鋼板など
[面積] : 2 [m2/m2](塗装面積計算用コード) = 4
[適用] : 円形断面で外表面を塗装面積とする材料
[ 例 ] : 丸鋼、鋼管、鉄筋などが対象。
[面積] : (a) * pai [m2/m](塗装面積計算用コード) = 3
[適用] : 2辺の長さの和の2倍を外周長さとする外表面を塗装面積とする材料
[ 例 ] : 外表面を塗装する角型鋼管、平鋼、山型鋼、T型鋼など
[面積] : (a + b) * 2 [m2/m](塗装面積計算用コード) = 2
[適用] : (2a + 4b - 2c) を外周長さとする外表面を塗装面積とする材料
[ 例 ] : H型鋼、溝型鋼など
[面積] : (2 * a + 4 * b - 2 * c) [m2/m](塗装面積計算用コード) = 1
[適用] : (2a + 4b + 4c - 6d) を外周長さとする外表面を塗装面積とする材料
[ 例 ] : リップ溝型鋼など
[面積] : (2 * a + 4 * b + 4 * c - 6 * d) [m2/m](塗装面積計算用コード) = 0
[適用] : 面積計算を行なわない
[面積] : 元のデータ値そのままとする
- 上の式中の a,b,c,d は、{部材名} に含まれている数値文字で、{部材名} を "$$$$[a]x[b]x[c]x[d]" とすると、$$$$ には数字を含まぬこと。最初に半角数値があるところから [a] と解釈し、区切り [x] を探した後、その次の数値を [b] とし、以下同様にして必要なだけ数値データを解釈する。
(例)
"H100x100x 6x 8 "
^a ^b ^c ^d
"STK φ89.1x 2.8 "
^a ^b
"FB 4.5x38 "
^a ^b
"φ13.0 "
^a
エクセルのワークシート上で、最初の選択セル位置と重量計算式・面積計算式が書き込まれるセル位置との関係は、2項の説明図がデフォルトとなっているが、CSVファイルの先頭の7行が書き込み設定データとなっているので、ここを変更すればカスタマイズすることができる。
ただし、最初の材料名称、予備、属性番号、単位重量、塗装面積係数の5データは、選択セル位置から連続して右側のセルに書き込まれるので、カスタマイズの対象外となっている。
なお、セル位置だけでなく、計算式も記述できるので、数量記入セルをもっと増やすといった変更にも対応できる。
1. 書き込み設定データの記述方法
データは次の7行からなる。最初の2桁は入力ガイド用のヘッダで、データは3桁目以降に記述する。カーソル移動はLEFTまたはRIGHTを中括弧{}で囲んで表す。
- 1行目 W>最初の選択セル位置から重量計算式を記入するセルまでのカーソル移動を書く。
- 2行目 W=重量計算式を相対参照形式で書く。
- 3行目 A>重量計算式セル位置から塗装面積計算式を記入するセルまでのカーソル移動を書く。
- 4行目 A=塗装面積計算式を相対参照形式で書く。
- 5行目 1>塗装面積セル位置から属性1の材料数量を入力するセルへのカーソル移動を書く。
- 6行目 2>塗装面積セル位置から属性2の材料数量を入力するセルへのカーソル移動を書く。
- 7行目 3>塗装面積セル位置から属性3の材料数量を入力するセルへのカーソル移動を書く。
2. サンプル
W>{RIGHT}{RIGHT}{RIGHT}{RIGHT}{RIGHT}{RIGHT}{RIGHT}
W=IF(RC[-6]=1,RC[-1]*RC[-3]*RC[-5],IF(RC[-6]=2,RC[-1]*RC[-2]*RC[-3]*RC[-5],RC[-1]*RC[-5]))
A>{RIGHT}
A=RC[-1]*RC[-5]/1000
1>{LEFT}{LEFT}{LEFT}{LEFT}
2>{LEFT}{LEFT}{LEFT}{LEFT}
3>{LEFT}{LEFT}
BQSS_Winは、鋼材重量集計だけでなく、一般の数表を参照しながらて文字・数値をワークシートに入力していくような作業にも利用できる。
コマンドラインにCSVデータファイル指定して起動する(あるいは、CSVファイルをBQSS_Winにドラッグ&ドロップする)と、データを読み込んで、上記の鋼材データの様にエクセルに貼り付けることができる。
次に、2種類の単価を持つ工事項目ファイルを使った工事費集計のワークシート例とデータファイル例を示す。青色セル部分でBQSSから貼り付けを行うと、黄色部分にデータと計算式が転記される。直接入力はカラム7の数量だけとなる。
W>{RIGHT}{RIGHT}{RIGHT}{RIGHT}{RIGHT}{RIGHT}
W=RC[-1]*RC[-3]
A>{RIGHT}
A=RC[-2]*RC[-3]
1>{LEFT}{LEFT}
2>
3>
1, "材料費","工費"
1, "ドル", "ポンド"
"CO:コンクリート工事",1,0
CO1:捨てコン FC150 , M3,13000 ,2000
CO2:基礎コン FC210 , M3,13300 ,1750
CO3:躯体コン FC270 , M3,14800 ,1750
/*
"RB:鉄筋工事",1,0
RB1:鉄筋 SD295 , M3,24500 ,53000
RB2:鉄筋 SD345 , M3,25500 ,53000
RB3:鉄筋 SD390 , M3,27500 ,53000
/*
6. BQSS_Win仕様